A Project for improving perinatal care

Japan Journal of Nursing Scienceに高橋の研究がアクセプトされました。

Does an early hands-on breastfeeding intervention by midwives affect nipple pain incidence? An observational pilot study

この研究は、早期母子接触中の新生児の気持ちをどうやったら理解できるのか?について、研究手法や、早期母子接触の意義・意味において、世界をリードされてきた故Ann-Marie先生に、指導を受けたくてスウエーデンに渡った集大成の論文です。

名大に移動してからの科研のテーマでしたので、土日を使った調査で、データ収集にも時間を要しました。これまで、ご協力いただきましたお母さま方の早期母子接触の様子は、国際比較や早期母子接触実施のフローチャート作成に役立たせていただき、多くの引用をいただきました。この論文は、私自身がAnn-Marieのような母子の案寧のエビデンスを構築できる日本人研究者として、共著者のKajsaやKarinに指導を受けながら取り組んできました。その間、世界はCOVID-19が蔓延し、研究活動も中止となりそれまでは、顔を合わせて研究計画や分析を一緒に考えてきた貴重な時間がなくなりなりました。また、Ann-Marieがいなくなり、もう早期母子接触の未来を語ることができないだなと茫然と大きな悲しみの中で、終止符を打ち、掲載までこぎつけたい一心で取り組んだ論文です。

掲載されましたら、一読いただければ幸いです。早期母子接触や哺乳介助は母乳育児の10か条に則って母子ケアをされている病産院では、当然のことだと思います。この論文では、母子接触中の新生児の哺乳探索行動(Ann-Marie et al., 2011)を中断し、熟練助産師であっても哺乳介助をすることで、その後の乳頭痛に影響することを報告しています。ご存じの通り乳頭痛は、直接授乳中断の大きな要因になります。分娩当日から、乳頭痛が生じれば、その後の直接母乳にも大きな影響を及ぼし、母乳栄養役立への負の影響を生み出します。分娩室での早期母子接触のあり方を再度ご検討いただける一因となれば幸いです。